薬物療法

手術ではなく、薬を使って行う治療全般を薬
物療法といいます。手術はしたくない、また
は必要ではないという場合でも、痛みや症状
が強ければ薬物を処方しますし、その症状に
よっては、薬を用いてより積極的な治療を行
う場合もあります。
薬物療法が必要なとき
 
薬物療法が必要となるのは、月経困難症や
腹部の膨満感といった自覚症状がある場合で
す。
 

また、これまでの経過から、今後さらに子
宮筋腫が大きくなっていくと予測されるとき
や、子宮内膜症、子宮腺筋症との合併が考え
られる場合も、薬物療法の対象となります。
薬物療法のポイント
 

薬物療法は手術とは異なり、なかなか効果
を把握しにくい場合もありますから、事前に
具体的なプランを立てておくことをおすすめ
します。
 
これは、治療をスムーズに行っていくうえ
でも有益なことですから、医師とも十分に話
し合ったうえで、治療を開始してください。
それでは、以下に、そのポイントを挙げてお
きます。


その薬物療法にどんなことを期待するのか、
はっきりさせる。また、治療効果の判定をど
のように行うのか、医師とあらかじめ決めて
おく。
、その薬物の代表的な副作用について把握し
ておく。

その薬物療法を用いる期間を決める。治療
開始後も定期的に見直しをする。

他の治療法との比較において、長所、短所
を理解する。ひとつの方法に決めてしまわず、
状況に応じて、他の薬剤への変更や手術の選
択も検討する。
。より効果をあげ、副作用を減らすには、ど
のようなことに気をつけたらよいか、担当医
と確認しておく。とくに食生活や日常生活が
及ぼす影響は大きいので、気配りが必要。

人によって異なる検査法

最近では、子宮鏡(ヒステロスコピー)の検査が行われることが増えてきています。子宮鏡とは胃カメラや大腸ファイバーなどのようなもので、瞳から子宮の内腔にファイバーを挿入して子宮の内腔を観察します。
傘子宮鏡検査でわかること子宮鏡検査は、子宮の内腔の広さや凹凸、形など、超音波やMRIでは正確に知ることができない部分を直接観察できる検査法です。
とくに、粘膜下筋腫がある場合に用いられることが多く、粘膜下筋腫の有無、その大きさや茎部の太さを正確に観察することができます。



子宮鏡検査の方法は、患者さんによってずいぶん異なります。外来で麻酔なしで一○分くらいですむ方もいれば、入院して静脈麻酔をかけ、一一泊三日ぐらいかかる方もいます。
なぜ、このような差が生まれるのかといいますと、その要因のひとつに、経腫分娩の経験があるかどうかがあげられます。経腫分娩の経験があれば、子宮口が広がっているので陸から子宮口にファイバーを挿入するときに、麻酔を必要とすることはまずありません。逆に、経腫分娩の経験がないと、子宮口が狭くかたいため、麻酔なしでは苦痛が強く、麻酔が必要になる場合もあります。


子宮鏡で、処置や手術を行うこともできます。その場合、子宮鏡には電気メスのようなものがしこまれ、使用されるファイバーも太くなり、麻酔の必要性が高くなります。


子宮筋腫が発見されたとき、子宮卵管造影検査が必要となる場合があります。これは元来、不妊症の検査で、主として妊娠を希望している方の子宮筋腫の治療方針を決めるために用いる方法です。